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まだ歯や顎が未発達の段階にある子どもの歯列矯正は、さまざまな点が成人の矯正と異なっています。その中でも大きな違いとして挙げられるのが、小児矯正は1期と2期に分かれているという点です。ここでは、そのうちの1期治療について見ていきましょう。
小児矯正のおける「1期」とは、まだすべての歯が永久歯になっておらず、乳歯と永久歯が混ざっている時期のことです。「混合歯列期」と呼ぶこともあります。具体的な年齢で言うと、5、6歳~10、11歳までの間となる時期です。
1期は、前述の通りまだ完全にすべての歯が永久歯に生え変わる前の治療です。そのため、本格的な矯正治療と言うよりは、すべての歯が永久歯に生え変わった後の治療である2期治療をスムーズに行うための準備段階という側面が強いと言えるでしょう。そのため、1期治療は歯列の矯正を行うというよりは、歯列が乱れる原因や後々の悪化要因を取り除くための治療という側面が強いとも言えます。
1期治療の大きな目的のひとつが、「歯列の乱れの原因となる習癖をなくすこと」です。矯正治療が矯正器具の力で少しずつ力を加えて歯を移動させていくように、歯列の乱れもまた少しずつ歯に力が加わることで起こります。そのため、幼少期に指しゃぶりや口呼吸といった習癖があり、それを放置したまま成長すると歯列の乱れやかみ合わせの歪みといった問題が発生するのです。これを防ぐために、1期治療では矯正器具を使用することでこうした習癖をなくしていきます。
また、顎の成長をコントロールすることも1期治療の重要な目的です。出っ歯や受け口といったかみ合わせの問題は、顎の成長に原因があります。たとえば、一見出っ歯、つまり上顎のほうが出っ張っているように見えても、実際には下顎の成長が足りないといったケースがあるのです。そこで、1期治療では下顎の成長を促すことで正しいかみ合わせを手に入れるというアプローチを行います。このような顎の成長をコントロールするといった治療は、顎が成長しきった成人の矯正ではできない、小児矯正ならではの大きな特徴と言えるでしょう。
歯列の乱れの原因のひとつに、歯の大きさに対して顎のスペースである歯列弓が狭いことが挙げられます。これは、10人分のスペースしかない椅子に11人、12人といった人数が座ろうとするとはみ出してしまうのと同じことです。これを防ぐために、1期治療では椅子の幅、つまり顎のスペースを広げることですべての歯が正しく整列できるようにします。これもまた、顎がまだ成長期である子供の段階だからこそできる矯正治療なのです。
前歯のかみ合わせが逆になっている状態です。こうなると、下顎の位置が左右にずれることがあります。この状態を解消するため行われるのは、取り外しできる拡大床です。これによって歯槽骨の形態修正を行ったうえで、部分的なワイヤー矯正を施し下顎の位置を矯正します。さらに、口腔周囲筋のバランスを整えるために継続して行われるのが口腔筋機能療法(MFT)です。これによって、舌が正常な位置よりも下になることを防ぎます。
顎の幅が足りないために、後から永久歯が映えてくるスペースがないケースです。これを解消するためには、まず拡大床によって顎のスペースを広げます。十分なスペースを確保したら拡大床を取り外し、ワイヤー矯正で部分的な矯正を行い、前歯の並びを整えたり奥歯を後ろに移動させたりすることで、あとから永久歯が出てくるためのスペースを確保するのです。
奥歯のかみ合わせと高さに問題があるため、下顎全体が後方に押し込められているケースです。この状態だと舌の根元が沈下して気道が狭められるため、口哭泣が習慣化してしまうのです。解決のために、下顎の前方への誘導および舌を挙げるトレーニング、そして口腔筋機能療法(MFT)治療を施しました。これによって、習慣的な口呼吸を解消し鼻呼吸ができるようになったのです。
永久歯が映え揃ってから行われる2期治療は、矯正器具を取り外しできないことが多く、慣れるまでしばしば痛みや違和感といったストレスが問題となります。対して1期治療は痛みや違和感が少なく、なおかつ歯磨きもしやすいのです。そのため、2期治療に比べて矯正に対する抵抗が少なく治療がしやすいというメリットがあります。
また、1期治療には2期治療の準備段階という側面もあります。1期治療をしっかりやっておけば、2期治療をよりストレスなくスムーズに行うことができるようになるのです。
矯正器具による歯列矯正が困難なほど歯列が乱れている場合には、抜歯せざるを得なくなることもあります。しかし、1期治療の段階でしっかり矯正を行っていれば、将来的に矯正が必要になっても抜歯しなくてよくなる可能性を高めることができるのです。
歯列が大幅に乱れる原因のひとつに、永久歯が正しく生えてくるスペースがないことが挙げられます。この状態で永久歯の生え変わりの時期を迎えてしまうと、歯が重なってしまうのです。しかし、1期治療の段階で矯正を行い、あとから正常に永久歯が生えてくるスペースを確保しておくことで、歯が重なってしまうことを防げます。
歯列の乱れが矯正器具による矯正や抜歯では治療困難なケースだと、手術をしなくてはいけなくなることもあります。たとえば、成人における受け口の治療の場合、顎の成長がすでに終わっているため手術をしなくては改善できない事があるのです。
しかし、まだ顎の成長途上にある1期治療ができるうちに矯正治療を始めておけば、顎の成長を利用する形で矯正を行えるため、将来的に手術しなくてはいけなくなるほど歯列の乱れが悪化することを予防できます。
1期治療を行う年齢から矯正治療を行うと、成人になってから矯正をスタートした場合に比べて全体的な治療期間が長くなることがあります。顎の成長が止まるのは15歳前後と言われていますが、顎の成長に合わせて矯正を行うということは、顎の成長が止まる年齢まで矯正治療を継続するということなのです。
矯正器具を装着しての矯正治療を行うと、歯磨きをしても矯正器具を装着している部分に磨き残しが発生しやすくなります。そして、磨き残しが積み重なってくると虫歯になりやすくなるのです。
矯正器具の中には自由に取り外しができるものもありますが、取り外ししやすいがためにお子さんが勝手に装置を取り外してしまい、定められた装着時間を守れないことがあります。特に1期治療の対象となる年齢では、違和感や痛みのために矯正治療の継続が困難となるケースもあり得るのです。
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