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乳歯は子供が成長するにつれて、永久歯に生え変わります。それでは、いずれ抜けてしまう乳歯に対する矯正治療は必要なのでしょうか。ここでは、乳歯に対する矯正治療の必要性やその治療内容について見ていきましょう。
結論から先に言うと、乳歯しか生えていない時点での矯正は行う必要はありません。
後々のことを考えると、早い段階で矯正を始めること自体は決して間違いではありません。しかし、まだ乳歯しか生えていない子供の矯正治療は、これから永久歯に生え変わっていくことも視野に入れたうえで行わなくてはいけません。とにかく早く矯正治療を始めればいいというわけではないのです。
したがって、小児矯正で「早期治療」と言った場合には、前歯が生え変わる7~8歳頃から矯正治療を始めることになります。それより前の乳歯しか生えていない状態での矯正は、まず行う必要がないのです。
乳歯のみで永久歯が1本も生えていない状態での矯正が絶対に行われないわけではありません。しかし、そうしたケースはごく特殊な例であり、滅多に起こることはありません。
乳歯のみの時点で矯正を行うことになっても、通常の矯正治療のような器具は使われず、簡単な装置での改善が見込まれる場合にのみ矯正が行われます。舌の位置がおかしい、唇を歯で挟む癖があるといったような場合には、ムーシールド、プレオルソなどのマウスピース型器具によってその癖を改善していきます。
しかし、乳歯のみの時期での矯正治療なので、子供が嫌がったり違和感に耐えられなかったりすることもよくあります。年齢的なことを考えても、乳歯のみの段階で長期間に渡る矯正治療を行うのは難しいでしょう。継続が難しいと判断された場合には、無理に治療を続けるのは負担が大きいのでよくありません。
また、乳歯のみの早い段階で矯正治療を行ったとしても、それで以降の矯正の必要がなくなるとは限りません。場合によっては、永久への生え変わりが始まる時期に改めて矯正治療を行わなくてはいけないこともあるのです。
乳歯が生え変わりかけてぐらついてきた場合でも、焦って無理やり抜くのはよくありません。なぜなら、自然に抜ける前に抜いてしまうと、次に永久歯が生えてくるまでの期間歯がない状態になってしまうからです。特に、発音に大きな影響を与える前歯の場合は注意しましょう。前歯がない状態だとサ行やタ行の発音が困難になります。さらに、発音しにくいのを補うために舌を出して発音する癖がついてしまう危険性があるのです。この癖がつくと、永久歯が出てきても癖が抜けず、舌っ足らずな喋り方になってしまいます。
子供の歯の生え変わりは、下から永久歯が生えてきて自然に乳歯が抜け落ちるのが理想的です。そのため、乳歯がぐらついてきても無理に抜いてはいけません。
実は、新しく生えてきた上の永久歯の前歯に隙間があるのは自然なことです。ハの字になるくらい大きく開いていても問題ありません。上の前歯の隙間は、歯が生え揃ってくるにしたがって閉じていくからです。
乳歯が生え変わる6~7歳の時期になると、まず真ん中の2本が生え変わり、続いてその左右の歯が1本ずつ生え変わっていきます。そして、前歯の左右の歯が出てくるにしたがって真ん中の2本の前歯の隙間が閉じていくのです。
むしろ注意すべきは、上の前歯の隙間がない場合です。この場合だと、左右の歯が正常に生えてくるスペースがなくなってしまうからです。また、隙間があるだけではなく、下から見たときに前歯が45度以上ねじれている場合は、奥歯が生えてくる11歳頃までに矯正しておく必要があります。
歯の生え変わりが遅いことについては心配はいりません。むしろ、生え変わりが極端に早いときのほうが問題です。
歯の大きさは、永久歯のほうが乳歯よりも上です。そのため、歯の土台となるあごが十分に発達していない段階で早く永久歯に生え変わってしまうと、狭いあごのスペースに乳歯より大きい永久歯が無理やり押し込まれる形になるので、それが原因で歯並びが悪くなってしまうのです。
したがって、永久歯への生え変わりが遅いということは、あごが十分に成長してから永久歯が生えてくるということなのでむしろ安全と言えるのです。また、乳歯が生えてくるのが遅かった場合は、それに比例して永久歯への生え変わりも遅くなるので、焦らずに生え変わりを待ちましょう。
通常、乳歯が抜けた後はその傷が塞がらないうちに永久歯が生えてくるのが正常です。しかし、傷が治って半年以上経過しても永久歯が生えてこない場合は歯科医にレントゲンで調べてもらったほうがいいでしょう。
永久歯があるのに出てこない場合は、そのままにしておくと発音や食事の際に舌を出す癖がついてしまうことがあるので、歯茎を切開して永久歯を出してもらうことになります。また、永久歯が出てくるスペースがない場合は、器具を使ってあごを広げる処置が必要になる場合もあります。
乳歯の段階でかみ合わせが逆だと、永久歯に生え変わった後もかみ合わせが逆のままになってしまう危険性があります。こうしたケースのうち、一部は自然に改善されるケースもありますが、器具を用いることで確実に改善が可能です。
しかし、一旦かみ合わせが改善されても、中にはかみ合わせの逆転が再発するケースもあります。特に、成長期の男子が急に背が伸びたときに再発が起こりやすいようです。これは、下あごの成長が身長の伸びに比例しているためです。
左右の犬歯の間には歯が4本あるのが正常ですが、乳歯の前歯が3本しかないケースがあります。永久歯への生え変わりの際に4本になる場合と、そのまま3本の場合とがありますが、乳歯の段階で3本のときは永久歯になっても3本のママのことが多いようです。
しかし、このケースについてはあまり心配する必要はありません。なぜなら、最近は日本人のあごは徐々に小さくなっているので、前歯が1本少ないほうが全体の歯の収まりがいいからです。もちろん、歯が1本少ないせいでかみ合わせが悪くなるケースもあるので一概に安心とは言えませんが、あごと歯のバランスが取れていれば前歯が3本でも問題ないでしょう。
上下の前歯は5~7歳くらいまでの間に生え変わりますが、そのときに乳歯の前歯4本が抜けていきます。しかし、しばしばその隣の犬歯まで抜けてしまうことがあり、こうなると上下のかみ合わせの正中が合わなくなります。
このケースは、乳歯が永久歯に変え変わる時期までにあごの成長が遅れてしまい、すべての永久歯がきちんと収まるスペースが確保できなかったことで起こります。この状態で奥歯が生え変わる時期を迎えてしまうと、高い確率で歯並びが乱れてしまいます。しかも、一見しただけでは正常に歯が生え揃っているように見えるので要注意です。
結論から言えば、乳歯を早く抜くことは必ずしも正解とは言えません。乳歯を早めに抜くべきかどうかの判断を分けるのは、その下にある永久歯の存在です。
永久歯は乳歯の根元部分である歯根を破壊しながら生えてくるのですが、この段階で乳歯が永久歯の正常な生え変わりを阻害する可能性がある場合は、乳歯を抜くことがあります。
反面、乳歯は永久歯が正常に生えてくるために必要なスペースを確保する役目も持っています。そのため、あまりに早い段階で乳歯を強引に取り除いてしまうと、永久歯が生えてくるスペースがなくなる、生えてくる場所がずれてしまうと言ったトラブルが起こるのです。
乳歯の扱いは、その後の永久歯への生え変わり、ひいてはその後の歯並びを決定づける重要なポイントです。だからこそ、安易な判断で抜いたり矯正したりできるものではありません。また、永久歯への生え変わりのペースにも個人差があります。
したがって、子供の乳歯をどうするかという判断は保護者だけで行わず、不安な場合は必ず医師に相談するのがいいでしょう。それ以降の健康な歯と正常な歯並びのためにも、子供の乳歯になんらかの異常があった場合は、すぐに医師の指示を仰ぐのが大切です。
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