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小児矯正では、さまざまな器具を用いて矯正を行います。それらの器具についてよく知っておくことで、より効率よくに小児矯正を進められるでしょう。ここでは、代表的な器具を10種ピックアップして、その特徴や目的について解説していきます。
マウスピース型の矯正器具で、主に受け口の治療に用います。口の中に装着し舌や口の周りの筋肉を整えます。適した年齢は3~4歳となっています。使用するのは就寝中のみなので、小さな子供であっても負担を軽減し問題なく使用できるでしょう。また、取り外しもしやすいので便利です。治療期間は比較的短く、1年程度となっています。矯正自体は早ければ数ヶ月、遅くとも半年で終えられます。しかし、後戻りを防止するために1年間の装着が必要です。
受け口は、舌圧と口唇圧のバランスが崩れることで起こります。ムーシールドは、その舌圧と口唇圧のバランスを整えることで受け口を改善します。また、かみ合わせを改善したり、舌を高い位置に保ったりする機能もあります。
名前の通り、あごの骨を急速に拡大する装置です。上あごの内側に装着し、ネジであごを拡大します。成人のときとは異なり、小さな子供はまだあごの骨が発達しきっておらず装置に慣れやすいのがメリットです。この利点を利用して、あごの骨のつなぎ目である「正中縫合」という部分を広げていきます。対象年齢は、成長期の小学校中学年以上となります。
急速拡大装置は、セメントで歯に固定されます。そのため、取り外しができずブラッシングが難しくなるのがデメリットです。また、1週間程度で慣れる場合がほとんど。しかし、どうしても発音や食事の際に違和感が生じたり、見栄えの問題も残っています。反面、名前の通り早い段階であごを拡大することができるという大きなメリットもありますので、治療開始前にメリットとデメリットをよく考えておきましょう。
また、急速拡大装置と混同されやすいのが拡大庄(プレート)です。拡大庄は急速拡大装置と異なり、取り外しが可能です。また、あとからスプリングを追加することもできます。その代わり、急速拡大装置と比べて拡大できる範囲が狭い、患者さん自身が使わないといけない、歯が外側に傾きやすいといったデメリットもあります。それぞれ特徴が異なるので、うまく使い分けましょう。
マウスピースとスティックが組み合わさったような形状の器具です。あごの筋肉を正しく使って噛む訓練のほか、口呼吸を改善し鼻で呼吸できるようにするために用います。また、舌の位置を正しくする、正しい飲み込み方を訓練するのにも役立つのが特徴です。対象年齢は、おおむね2~5歳となっています。
使い方は、口の中に器具を入れて軽く噛み、そのまま唇を閉じて鼻で呼吸するというもの。小さい頃から口呼吸や舌の突き出し、誤った飲み込み方が癖になっていると、将来の顔面の発育不全や不正咬合を招く原因になります。インファントトレーナーはこれを予防する効果があるのです。また、将来的にブラケットや抜歯といった長い期間を要する、あるいは負担の大きい矯正治療を行う必要がなくなります。
マウスピース型の矯正器具です。舌の位置を正しいところに誘導するほか、口の周囲の筋肉を鍛えて歯並びを正しい位置に持っていく機能もあります。
使い方は、口に装着して「タンタグ」と呼ばれる舌の位置を示す部分に舌を置くように訓練するというものです。装着時間は、学校から帰宅までの1時間と就寝時間の間となります。
これによって、口呼吸を改善し鼻呼吸に誘導することができます。また、舌の位置が悪かったり舌で遊ぶくせがあったりといったような癖の改善も可能です。
どちらも頭全体に装着する大がかりな器具で、主に上あごが前に突出している場合の治療に用います。通常に比べて大きく成長しすぎた上あごの成長を抑制したり、上の奥歯を後方に引っ張ることで上下のあごのバランスを整えたりすることを目的としています。
装着時間は1日12時間と長く、頭全体を覆う形なので慣れるまで時間がかかるのが難点ですが、ルールを守ってしっかり装着を続けることで確実に上下のあごのバランスや位置を改善することができます。
ワイヤーとプラスチックで構成された、マウスピース型の装置です。上あごの後退によってかみ合わせが悪化しているケースの治療に用います。歯列そのものには大きな乱れはないけれど、出っ歯が目立つようなケースに適した治療です。適用年齢は8~13歳となっていますが、これは、バイオネーターが成長期の筋肉の動きを利用して矯正を行う仕組みだからです。
使用時間は1日10時間程度。食事の際には取り外し可能で、ブラッシングや器具の手入れがしやすいのがメリットです。
ステンレスもしくはコバルトクロム合金でできた、W字型の器具です。上あごの幅を広げる目的で用いられ、左右の奥歯に引っ掛けて、歯の裏側から固定します。
歯が生え揃うスペースがない場合に用いられる治療です。成人の場合は歯を移動させるスペースがなければ抜歯という選択肢もありますが、小児歯科の場合はそう簡単に歯を抜くわけには行かないのでこうした方法が用いられます。
適用年齢は思春期前後の成長期となっています。これは、クワドヘリックスはあごの成長に合わせて広げていくので、成長期に効果を得やすいといえるためです。逆に、あごが成長しきってしまった成長期以降の年齢ではあまり効果が得られません。
歯に直接セメントで固定する、H字型の器具です。歯を抜かない矯正治療で用いられる器具の一つで、大臼歯を後方に動かすのが目的です。セメントで固定されており取り外しができないので、食事、歯磨きなどの際にも器具は着けたままとなります。第一小臼歯に装着するバンド部分が多少は目立つものの、装置の大部分は歯の裏側に隠れる形になるのであまり目立たないというメリットがあります。
大臼歯の傾きをコントロールしたり、歯の移動を早めたりする目的でハイプル、ヘッドギアなどと併用することもあります。また、大臼歯が後方に移動する反作用として前歯の唇側への傾斜が起きる可能性があるのがネック。就寝時にエシックス装置を併用することでカバーが可能です。
適用年齢は早くても小学校中学年以降となっています。これは、装置の構造上、前から4番目の歯である第一小臼歯が永久歯に生え変わっている必要があるからです。なお、GMDによる矯正は子供だけでなく成人の矯正にも用いられます。
ワイヤー製で、互い違いのコの字型をした器具です。上あごの6歳臼歯を後方に移動させるのが目的です。主に出っ歯や八重歯の矯正に用いられます。従来は、出っ歯や前歯の矯正は小臼歯を抜いてスペースを作りそこに歯を移動させていましたが、ペンデュラムを用いて大きく後方に移動させることで抜歯しなくても矯正が可能となったのです。
GMDも同じように臼歯を後方に移動させるための器具ですが、ペンデュラムの方は構造上外からはまったく見えないというメリットがあります。ほかにも、6歳臼歯が後方に移動するときには、反作用として前歯が前に移動しますが、その移動量が少なくて済むのもメリットの一つです。
デメリットとしては、装置が大きいので最初は違和感が大きかったり、装置を着けたままでの食事や歯磨きに慣れるのに1週間ほどかかるといった点が挙げられます。
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