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親知らずは大人になってから抜歯するケースが多い反面、子どもの頃は無関係と考えている方も少なくはないでしょう。しかし、親知らずは子どもの頃から形成が始まり、将来の歯並びに影響してしまうこともあります。そうした事態を防ぐためには歯科医と相談し、状態によっては、小児矯正前に抜歯などの対策が求められます。
ここでは、親知らずが歯並びに与える影響や抜歯の必要性、抜歯に適したタイミング・時期などを解説します。
親知らずの影響を考慮せず、歯科矯正を行うケースは珍しくないですが、歯並びに影響する可能性もゼロではありません。現在は何ら問題がなかったとしても、将来的に親知らずが他の歯を押し出し、歯並びが崩れてしまう場合はあります。影響の出方は人それぞれですが、状態によっては矯正が必要になることも考えられます。
親知らずは顎の一番奥に生えるため、スペースがほとんどなく、横向きに生えてくるパターンも少なくありません。横向きに生えてしまうと、隣接する奥歯をグイグイと押してしまったり、力をかけたりすることもあります。その結果、歯全体が影響を受け、歯並びが崩れてしまう場合も珍しくありません。人によっては、圧迫されて痛みや腫れをともなうこともあります。大人になってから、親知らずが原因で前歯が飛び出たり、ガタガタになったりする方も中にはいます。
なお、親知らずが歯並びに影響するだけでなく、虫歯などの病気にかかってしまうケースも。現在は影響が出ていないとしても、不安がある方は担当の歯科医へ相談してみましょう。
歯並びに影響を及ぼすことも多い親知らずですが、小児矯正を行う際、抜歯が絶対に必要とは限りません。抜歯が必要になるケースは、矯正治療前の段階ですでに悪影響が及んでいるか、将来的な悪影響がおよぶ可能性がある場合です。最終的な判断は歯科医次第ですが、抜歯が必要不可欠というわけではありません。
しかし、大人になって親知らずが綺麗に生えてくるケースはまれです。多くの場合、歯並びを崩したり、先述した晴れ・痛みの原因になったりします。将来的な歯並びや歯の健康などに与える影響を考慮した場合、抜歯後に小児矯正することも検討が必要です。
歯科矯正後、数年経ってから親知らずを抜く方も多いと思いますが、一度崩れた歯並びは自然に元には通りません。小児矯正後に親知らずを抜歯したとしても、歯並びが崩れた場合は再度矯正する必要があります。そのため、せっかくの小児矯正が無駄になってしまうこともあるのです。
まだ子どもが小さく、親知らずの兆候が見られないなら、まだ抜歯を考える段階ではないといえます。ただし、親知らずは少しずつ成長していくため、適切な時期が来たら歯科医と話し合ってみましょう。
個人差はあるものの、親知らずを抜くのに適している時期は7歳〜10歳の頃とされています。レントゲンを歯の状態をチェックした際、親知らずの部分が黒くなっている時期が一つの目安となります。まだ親知らずができ始めている段階ですので、子どもの負担が少ないうちに抜歯することができます。
レントゲンでは、親知らずは成長とともに白く写るようになっていきます。抜歯にかかる時間も増えてしまいますので、定期的に歯科でレントゲンを撮影し、親知らずの状態を確認してもらいましょう。
参照元:ゆうデンタルオフィス(https://www.youdent.com/2020/12/22/1855/)
子どもの頃に親知らずを抜歯することをジャームエクトミーといいます。
個人差はありますが、親知らずは、6歳から12歳頃に歯の元となる歯胚ができ始め、体の成長に合わせて歯も大きくなっていきます。しかし、親知らずが大きくなってからでは抜歯の負担も増えるため、まだ小さいうちに抜いてしまおうという考え方がジャームエクトミーです。
なお、ジャームエクトミーは技術が問われる治療方法です。歯科医によっては対応できない可能性もありますので、事前に聞いておきましょう。
親知らずを抜いたからといって、小児矯正が不要になるわけではありません。親知らずの悪影響がなくなるため、歯に力が加わったり、圧迫されたりする心配がなくなるものの、歯並びが自然に整うかどうかは人それぞれです。自然と歯並びがよくなる子どももいれば、成長とともに噛み合わせが悪くなる子どももいるため、ケースバイケースといえます。
一方、すでに親知らずの影響が出ている場合や歯並びが崩れてしまっている場合、矯正が必要になります。先述したように、歯並びが自然と戻ることはありません。改善するためには矯正が不可欠です。子どもの歯並びが気になっている方は多いかもしれませんが、歯科医に矯正を勧められた場合、アドバイスに従ったほうがよいでしょう。
親知らずを抜かないで矯正することも可能ですが、リスクも少なくありません。特に親知らずは一番奥にあり、歯磨きがしづらい歯です。そのため、矯正後はなおさら歯磨きが難しくなり、虫歯などの病気にかかるリスクが高まります。
矯正後に親知らずが生えてくると、きれいに整えた歯並びが崩れてしまうおそれもあります。親知らずが全部きれいに生え揃うなら別ですが、きれいに生える方は多くありません。個人差はあるものの、リスクを抑えたいなら、抜歯後に小児矯正することも検討が必要です。子どもの歯並びが気になり始めた方は、歯科医に相談してみましょう。
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小児矯正歯科
【選定基準】
三郷市、流山市、越谷市エリアで小児矯正を提供している歯科クリニック36院の中で唯一のサービス提供を行っているクリニックを紹介いたします。(2020年10月20日調査時点、編集チーム調べ)
・IS歯科クリニック新三郷:抜歯やブラケットによる矯正を行わない早期予防矯正治療「マイオブレース・システム」を提供している
・鈴の木こども歯科:日本小児歯科学会の専門医が在籍している歯科クリニック
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【矯正歯科治療について】
専用の矯正装置を使用することで歯並びや噛み合わせを治療していく治療法です。マウスピース矯正では、専用のマウスピース装置を装着して、歯並び等を整えていきます。健康保険対象外のため、全額自己負担となります。
<歯列矯正治療の費用と期間について>
矯正歯科の平均的な費用はおよそ60~120万円、期間については平均3年といわれています。クリニックや症状によって期間や費用は変動しますので、正確な情報はクリニックでお問い合わせください。
<副作用について>
矯正中は虫歯や歯周病、装置の接触による口内炎などになりやすくなる可能性や、金属の装置による金属アレルギーなどを起こす恐れがあります。正確な情報はクリニックへ直接ご相談ください。
<治療における医薬品・医療機器について>
治療における医薬品・医療機器の中には、厚生労働省の未承認医薬品、医療機器が一部ございます。その装置や機器・医薬品の入手経路や、諸外国における安全性、同一性能を有する国内の承認医薬品等の有無など、詳細については各歯科医院・クリニックに直接ご確認をお願い致します。